2021年6月 Web発表会
4月に引き続き、6月もWEB発表会とさせていただきましたところ、133名の会員様にご参加いただきました。心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
6月の研究会でご指導いただく予定になっておりました、小原流研究院講師 野﨑祥平先生のご厚意により、講評をいただくことができ、野﨑先生には、感謝の気持ちでいっぱいでございます。
皆さまの作品をご覧になり、お勉強していただけたらとおもいます。
次回は9月の研究会で、皆様にお会いできる事を楽しみにいたしております。
神戸支部 支部長 芦田 豊陽
どんな方が生けた作品なのかお会いしたいものです。一つ残念な点は画像からは奥行き感がわからないことでした。ですのでぜひ次回は会場にお伺いして実際の作品を拝見し、研究会会場の活気も感じたいです。
小原流研究院講師 野﨑 祥平
1級A ~ 枇杷、紫陽花、段竹 ~
枇杷は一級Bと共通花材でした。紫陽花は枝ぶり、花色などよく吟味して枇杷との関係の中での位置付けが重要です。枝段竹は葉を整理して動きをとらえて見せ場を探します。三種類の花材とも主役になる花材ですので手にした花材のなかでの吟味が必要です。
1級B ~ 枇杷、白百合、薄 ~
枇杷は枝どり、葉の整理をしっかりすることが必要です。白百合の入ってくる空間を意識して基本骨格を生ける必要があります。白百合は動きをとらえポイントになるように位置づけます。薄を入れることで涼感を呼ぶ作品に仕上げるように心がけるとよいでしょう。盛花ですので水との接点、器との接点にも配慮が欲しいです。
1級脇 ~ 燕子花一種 3株(夏の挿法) ~
様式美の美しさを改めて感じる燕子花の様式本位です。最前列に来る三枚組のバランスに気を付けながら葉組をするとまとまります。七宝の位置付けも大事ですのでぶれることがないように定位置にしっかりとおきましょう。花が曲がっている場合は丁寧に直して、様式らしいたたずまいを生け上げてください。
2級 ~ 花柘榴、紫陽花、薄 ~
花柘榴は枝の整理をすることによって動きが出てきます。気に入った部分を見つけて紫陽花と出会わせていきます。瓶花とは違い今回は盛花ですので大きく枝を振り回さずまとめていきます。赤い花が魅力ですのでポイントに来るように配慮するとよいでしょう。ススキは葉の先を整理し涼感を感じるように生けるとまとまります。
2級脇 ~ 太藺、向日葵、擬宝珠 ~
三種類の花材とも主材になる花材です。見せたい要素をしっかりとらえて表現していきましょう。太藺は直線でも曲線でもまたは屈曲した線で見せるのも面白い材料です。ギボウシは葉面、軸と魅力的なところがあります。向日葵は黄色の花色は盛夏を連想させ、芯の部分も面白い材料です。たくさんの要素の中から何を見せたいかをはっきりと抽出し迷いのない作品に仕上げたいところです。
3級 ~ ニューサイラン、向日葵、霞草 ~
まどかの器とニューサイランをどんなふうに合わせていくかがポイントです。簡潔な構成でも複雑な構成でもどちらも正解です。作品の伝えたい部分を直接的に伝えられるよう余計なものを取り省いていくとよいと思います。三種類の花材の個性をとらえながら、対比と調和で。
4級 ~ アガパンサス(花②・葉⑤)、夏菊、スターチス・キノブラン ~
アガパンサスの色彩様式。アガパンサスは花と葉のバランスが大事です。また2本目の花は外側に傾けすぎないようにします。菊は葉をしっかり整理して、スターチスはメリハリつけて全体にかけるように生けるとまとまります。
准教授 ~ ニューサイラン③、向日葵③、スプレーカーネーション、レザーファン ~
花奏は役枝3本の交差の部分が一か所にならないように気を付けて生けます。足元の中間枝は役枝の構成美を損なわないように大きく生けすぎないのがポイントです。 ニューサイランは手を加えて美しい曲線を作るのもよいでしょう。向日葵は表情を積極的にいかしたいところです。レザーファンは大きくなりすぎないように小分けにして生けていきます。スプレーカーネーションは開花とつぼみ、半開きをバランスよく足元に生けていくとよいでしょう。
師範科2期 ~ アンスリウム③、ドラセナゴッドセフィアナ③、トルコ桔梗、霞草 ~
師範科1期の花材に霞草が加わった取り合わせです。ひらくかたちですのでカスミソウは左右に展開して量や長さに変化をつけましょう。華やかな雰囲気を演出できるとよいでしょう。
師範科1期 ~ アンスリウム③、ドラセナゴッドセフィアナ③、トルコ桔梗 ~
アンスリウムは芯の部分で方向性を考えます。同じ方向にならないように気を付けて生けます。また三本の長さや高さにも配慮していくと美しくまとまります。 ドラセナゴッドセフィアナは葉の整理が必要です。葉の面が美しく見えるように配慮しましょう。トルコはたくさん入れすぎないように。大きさや表情を豊かにとらえていけましょう。
本科 ~ 瑠璃玉薊、薔薇③、霞草 ~
初等科の花材に霞草が加わった取り合わせです。霞草はたくさん入れすぎないようにしてなおかつ白い色が効果的に見える方法を考えます。背景に薔薇の葉が来ると白の色が際立って見えるでしょう。
初等科 ~ 瑠璃玉薊、薔薇③ ~
瑠璃玉薊は花数の整理と個性的な葉をどういう風に処理するかがポイント。主枝にはきれいな花の瑠璃玉薊を選び花数が多くならないように整理します。葉は重なりすぎているところはカットしてすっきりと見せましょう。丸い形の花が同じ長さにならないように生けていくと美しくまとまります。 薔薇は重なる葉の整理をしていくとよいでしょう。
特別クラス ~ 燕子花一種5株(夏の挿法) ~
今回は燕子花の5株生けでした。すっきりとそれぞれの株が美しく見せられるよう心がけることが大事です。三枚組の長さ、大きさにしっかりこだわりましょう。全体が大きくなりすぎないように葉組をしていきます。魚道といわれる水のある空間を大切にとらえ、きりっとした空間を意識するとよいでしょう。葉組ももちろん大切ですが七宝の配りにも配慮しましょう。
番外編